浜中のDL

1/87 9mm

ミルクタンク車を引く、モデルワーゲン製”浜中のDL”です。
商品名には「釧路製」とありますが、「泰和」の形態に近い。
実際の浜中には泰和製の機関車はいなかったようです。

※ このページは下の方が新しい内容になります。


まだ未完成の状態。

ランボード以下の下回りの塗装について。
黒1色、車体色と同色、塗り分け等、実物の塗装はいろいろありますが、
アンダーフレームとランボードが一体で、下回り1色の方が簡便です。
いろいろ考えた結果、手間を惜しまず塗り分けようと思いましたが、
マスキングテープはがした時にランボード側面のグリーンが剥げました。
とりあえずタッチアップで誤魔化してあります。


モーターは当時メジャーだった、キドマイティ。
キドマイティ(特にV型)はその(寸法的な)構造上、
ローターが常に界磁によりスラスト方向に引き寄せられている。
モーター軸に直にウォームを取り付けるとギアによるスラスト力を生じ、
回転方向によってそれが重畳される方向と相殺される方向がある。
具体的に、この機関車の場合はキャブが前だと相殺され、
ボンネットが前だと重畳される、即ち回転抵抗が大きくなる。
これにより同じ電圧でも前後進でスピードに差が出てしまうが、
そういった事例はこの製品に限ったことではなくて、
困ったことだが、模型ではごく一般的に見られる現象だ。

少しでも機械的ロスを減らすためには、
集電ブラシの圧力とバックラッシュの調整が重要である。


車輪の集電ブラシは踏面に当てるようになっている。
踏面ブラシの利点は車輪の踏面をきれいにしてくれること。
その代償として、ブラシにゴミが付いて接触が悪くなりやすい。
接触を良くしようと圧力を高めると機械的ロスが大きくなる。
ではということでフランジにブラシが当たるようにしてみた。
ブラシをへの字に曲げてフランジ部に当てるのだ。
これはなかなか具合がいい。ブラシ接触面が汚れにくい。
欠点は車輪の最縁部に当てるのでトルクロスが大きくなることだ。
対策として、ブラシは必要にして極力弱く、これが基本。

走らせている間に急に調子が良くなったり悪くなったり不安定で、
ビスを緩めたり締めたりするたびに調子が変わる。
バックラッシュが小さすぎかと思って多めにしてみるが、
音が大きくなるだけで機械的ロスはあまり変わらないようだ。

調子に乗って走らせていたらある異変に気づく。

車輪のフランジが片側だけ平らになっているように見える。
如何に摺動部とはいえ、真鍮(或いは洋白)と燐青銅であり、
そんなに簡単に減るものではないと思うのだが、
踏面の汚れた部分も少し凹んでいるように感じられる。
スパークによる溶解か?とも思ったが、片側だけだ。
ひょっとして電食を起こしているのか??
長く走らせていると車輪のメッキが剥がれたりはするが、
今まで経験したことがないのでちょっと驚きだ。
そういえばボンネットを前に走らせると+側の車輪だ。
その方向に走らせた時間も長いし機械的ロスで電流も大きい。
本当に電食なのだろうか。
心配なので車輪の裏にブラシを当てるように作り直しだな。


前回、集電ブラシを車輪の踏面やフランジに当ててみたが、
どれもイマイチであったので、車輪の裏面に当ててみた。
元のブラシに0.3mm燐青銅線を半田付けして集電ブラシとした。
(燐青銅=真鍮よりコシが強いのでバネ材として好適である)
踏面をこする元の部分は車輪に当たらないように浮かしておいた。

結果はどうか。
今までは車輪の上面からブラシを当てていたので、
ブラシで常に動輪が押さえ板に押し付けられる形だった。
イメージ的には集電ブラシが軸バネのようになっていたのだが、
それが解消して車体の安定感が増した。
車輪の最縁部ではなく中心部近くに当てるようになったため、
車輪の駆動トルクロスが減少し、消費電流が減少した。
完全ではないものの、車輪が汚れにくくなり、
長時間の運転においても安定した性能を発揮している。

車輪がしっかりとレールに密着しているわけではなさそうなので、
牽引力増強の意味も含めて更なる補重をした方がよさそうだ。

ちなみに2段減速ギアは外して1段にしてあります。


鉄道模型のページへ戻る